パワーステアリング
1.油圧式パーワーステアリング


エンジンからベルトを介してポンプのプーリーを回し、油圧を発生させています。
ポンプで発生した油圧の力を利用して、ラック&ピニオン式パワーステアリングギアを動かしています。
ラック&ピニオンとはピニオンギアとラックギアの組合せの事を指しています。
油圧式パワーステアリングの不具合事例と原因・部品交換時の注意点
不具合事例 | 原因 |
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異音「ウオーン」「ウィーン」など | オイル量の不足、オイルの劣化など |
振動「ガクガク」「カクカク」など | ジョイント部分のガタ、ブッシュの経年劣化など |
異音「キーキー」「キュルキュル」など | ベルトの摩耗、経年劣化による滑りなど |
ハンドルの戻りが悪い | アライメントの狂い・サスペンション関係の不具合など |
パワーステアリングが重い | パワステポンプ本体の故障による油圧不足、オイルライン(ホース、リザーバタンク、ラック&ピニオン)の詰まり、シャフトやステアリングコラムの経年劣化による作動不良など |
パワステポンプの最も多い交換理由が『異音』『本体からのオイル漏れ』です。
異音の発生、本体からのオイル漏れでポンプのみ交換作業している方が多くおられますが、お客様から返却されましたポンプを確認しますと不具合の無いものがあります。

パワステオイルはエンジンオイルのように、定期的に交換される方は非常に少ないので、オイルの劣化によって、オイルラインに詰まりが生じる事があります。
まずは、オイルの状態を確認しオイルラインの詰まりを全て洗浄または交換する事です。異音発生の初期症状であれば、改善される場合があります。
また、オイルラインが詰まった状態でポンプだけを交換すると、油圧が上がり過ぎ、本体オイルシール等からオイルが漏れるといった症状が発生する場合もあります。
ポンプ交換時には、油圧ホース、リザーバタンクの交換をお願いします。
2. 電動式パワーステアリング

油圧式パワーステアリングはエンジンを動力とする為、燃費を重視させるには不向きです。
燃費の向上を図る為 、急速に普及が進んでいるのが、モーターで駆動する電動式パワーステアリングです。
電動式パワーステアリングの不具合事例と原因・注意点など
不具合事例 | 原因 |
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異音「ウオーン」「ウィーン」など | 減速機の異常、モーターの異常など |
振動「ガクガク」「カクカク」など | ジョイント部分のガタ、ブッシュの経年劣化など |
ハンドルの戻りが悪い | アライメントの狂い・サスペンション関係の不具合など |
パワーステアリングが重い | パワステコントローラ(ECU)、センサー、モーター、減速機の故障など |
※電動式のパワーステアリングは、停止した状態でハンドル操作を繰り返すと高負荷でモーター内部の温度が上がり 、一時的にハンドルが重くなってしまうことがありますが、故障ではありません。
モーターの温度が下がると、 正常に戻りますので、電動式のパワステの特徴の一つとして理解して頂ければと思います。